2020年1月14日
A3:オフセット電圧とは、出力電圧に相対的に加算させる電圧です。
ピエゾドライバ(ピエゾコントローラ)は、信号発生器などからの入力電圧を、
ゲイン(利得)で設定された倍率で増幅した電圧を出力します。
これに、設定したオフセット電圧を加算した電圧が最終的な出力電圧となります。
入力電圧と出力電圧、オフセット電圧との関係は、以下の数式で表せます。
Vout=Vin×G+Off
Vout:出力電圧
Vin :入力電圧
Off :オフセット電圧
G :ゲイン
例えば、以下の条件での利用の場合を考えてみましょう。
入力電圧 :-2.5V~+2.5Vのサイン波
ピエゾドライバ:M-2629(出力電圧範囲:-10~150V)
オフセット電圧:0
ゲイン :30倍
入力-2.5V~+2.5Vのサイン波形
この場合、数式(Vout=Vin×G+Off)で計算しますと⇒出力電圧は、-75V~+75Vのサイン波 となります。
ですが、実際はM-2629の出力電圧範囲内での出力となるため、
計算上は「-75V~+75V」のサイン波でも、「-10V~+75V」の出力電圧となってしまいます。
マイナス側の波形が潰れた、入力波形とは異なる波形が出力されてしまうことになります。
ここで、オフセット電圧を「75V」に設定することにより、
0V~150Vの入力波形と同じきれいなサイン波形が出力されることになります。
詳細な説明は、「ピエゾドライバ技術資料」内の「3.入力と出力について」を参照ください。