リスクアセスメント

2025年8月27日

かなり前になりますが、以前CEマーキングについて簡単にお話しました。

今回も引き続きCEマーキングに関連する内容となります。
CEマーキングの要求事項にリスクアセスメントというのがありますが、
みなさんはリスクアセスメントをご存じでしょうか?

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【リスクアセスメントとは】
問題や危険性を事前に予測し、それらを管理するための計画を立てるプロセスのこと。

例えば、仕事場やプロジェクトで考えるなら、
  「どんなリスクがあるか」
  「そのリスクがどれくらいの影響を与えるか」
  「どう対応するか」
などを考えて、実行する方法を決めます。
これにより事故やトラブルを未然に防ぐことができますね。

難しいように感じますが、実はこれ、誰もが身近に考えてることなんです。
例えば、登山をしようと思った時、
  「天気がどうなるか」
  「道が危険じゃないか」
  「必要な装備は?」
と事前にチェックすることをしていると思います。これもリスクアセスメントの一種です。

CEマーキングにおけるリスクアセスメントは、当社の場合で考えると、
製品の安全性を確認し、EU規制に適合させるための重要なプロセスです。
これは「製品が引き起こす可能性のあるリスクを特定し、それを適切に評価し、リスクを最小化する」作業を指します。

具体的には以下のステップを踏むことが一般的です:

リスクの特定:
製品が使用中や誤用された場合に、どのような危険が発生し得るかを洗い出します(例: 機械の可動部分による挟まれリスクなど)。

リスクの分析:
特定した危険について、起こり得る頻度や危害の深刻度を分析します。

リスクの評価:
分析結果を元に、リスクをどの程度受け入れることができるか(許容可能か)を評価します。

リスク低減の措置:
必要に応じて、設計の改善や保護装置の追加などによってリスクを低減します。

記録と報告:
これらのプロセスを詳細に技術文書として記録し、必要に応じて第三者機関に提示できるようにします。

特に機械指令や低電圧指令では、リスクアセスメントが求められます。

では当社の製品で具体的に考えた場合はどうでしょう。当社ではピエゾドライバという電源を製作販売しています。
これは高電圧電源となっており特有のリスクがあるため、
CEマーキングのリスクアセスメントでこれらをしっかりと評価する必要があります。

以下の観点が重要です:

1. 電気的リスク
高電圧による感電や火災のリスクを考慮します。これには、絶縁対策の適切性や接地の効果を評価することが含まれます。

2. 熱的リスク
発熱部品や外装表面の温度が高すぎる場合、使用者や周囲環境に危険を及ぼす可能性があります。冷却構造や材料選定が重要です。

3. 機械的リスク
内部の部品や構造が、振動や衝撃に耐えられる設計になっているかどうかを確認します。

4. 電磁妨害 (EMC)
高圧電源装置は通常、電磁波を発生しやすいため、EMC指令に準拠した設計が求められます。これにより、他の装置や環境に悪影響を及ぼさないことを確認します。

5. 事故防止措置
万が一の故障時に、どのような保護装置や対策が装置の安全性を確保するか、具体的な対応策(例えば自動シャットダウン機構など)を検討します。

このように項目だけでもかなり多くのリスクを検証しなければならないことがわかります。
一つに絞って例を出すと1.電気的リスクに関する内容で感電のリスクが考えられます。
まず、感電した場合どのようなリスクが想定されるのか?
感電事故は最悪の場合、感電死ということまで考えられ、これを対策せず放置したらとても危険であることが想定されます。

どのような行動で感電する?
外装の絶縁が悪くケースに触って感電
端子に接続する時に誤って端子を触ってしまう。

では、そうならないためにどういう対策をしたらよいのか?

・装置の外装や端子が接触しても感電しない構造で作られていること
接触する可能性のある部分には追加のカバーやシールドの装備を検討する。
装置の筐体が保護アースと直結して電位が生じないようにする。
端子などは手が直接触れないような構造の端子を使用する。
・感電への注意喚起
  製品のパネルなどに電撃マークなど貼り付けて感電するリスクがあるということを使用者に注意喚起する。

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・マニュアルへ記載
  装置に配線する際の注意
  アース線接続に関する注意

一見当たり前に感じますが、意外と見落としがちで、マニュアルの注意事項に記載するのも大事なリスクアセスメントになります。

こうしたことで大切なのはこれらの具体例を基にリスクアセスメントを文書化し、どのような対策を講じたかを詳細に記録することが求められます。
また、リスクの度合いや採点は表で確認するとよりわかりやすくなります。

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さて、今回の内容では説明がまだまだ不十分ですが、CEマーキングを宣言するには
ひとつひとつの項目に対してこういった検証を細かく行うことが要求されており、
安全性ということに対して深く追及されているのです。

すでに多くの企業では品質管理が重要であることとしてCEマークのような安全認証に関係なく、
当たり前のようにリスクアセスメントが行われているところもあるようですね。
みなさんも自分の会社で製作、販売されている製品でリスクアセスメントを考えてみてはいかがでしょうか。

【 今月のブログ 設計部門:Nさん 】

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